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IDC 2011 Daily Reports

IDC2011 特設ページ(Daily Reports)

IDC2011

IDCロボコン2011はアメリカのマサチューセッツ工科大学で、7月25日から8月5日にかけて行われました。
東京電機大学からはロボメカの学生6名が出場しました。

出場メンバー

◆ロボメカの6名が出場

出場メンバー

出場者は学内選考会で選ばれた6名です。3年の芦君、國安さん、小河君、銭君、大関君、4年の神戸君です。(↑写真の左から順番に並んでいます)

7月24日

◆出発~ボストン到着

成田空港集合ボストン到着
宿舎出迎え

24日の午後、成田空港に集合し、ニューヨーク経由でボストンへ移動しました。ボストン到着時、みんな少し疲れた様子です。MITのボランティアの学生が出迎えてくれました。2006年に日本で開催したIDCに参加した学生とのことです。タクシーで、大学へ移動。宿泊するのは、大学の中にあるBaker Houseです。明日は7時集合で、IDCロボコンが開幕します。

7月25日

◆IDC2011開幕

大会会場へ移動中大会会場へ移動中
朝食オープニングセレモニー
参加国の紹介チーム分け

いよいよIDC2011開幕。
宿舎のBaker Houseの玄関に集合し、MITのFray先生の誘導で、会場となる建物へ移動します。用意してしてくれていた朝食のパンとお菓子を食べ、開会式がスタートしました。参加国の紹介、IDCの趣旨説明、今年のルールが発表され、チーム分けが行われました。韓国チームは、飛行機がキャンセルされて明日到着する予定とのこと。
今年のテーマは「RoboHacks」。ルールはこちらのサイトをご覧ください。

ルール理解中ルール確認のためのミーティング
Labでの安全講習ブレーンストーミング

開会式の後は、各チーム毎に分かれ、自己紹介をして、配られたTシャツに着替えます。配られたキットの確認をし、ルールの理解を深めつつ、アイデアの意見交換が始まります。ルール確認のためのミーティングを行い、午後は工作室の使い方や使用する機器のレクチャー、安全講習などを受け、チームごとに戦略やマシンの構想を議論します。
英語のコミュニケーションとルールの難しさに戸惑いつつも、参加者たちは頑張っています。
◆意気込み
大会に出場するにあたっての学生の意気込みを紹介します。
小河慶太郎
IDCロボコンには以前から是非参加してみたいと思っていたので、参加できるに事になり、とても嬉しいです。多くの国の人たちが集まり、一緒にロボットを製作する機会は滅多にないので、IDCロボコンで大会を通じ、日本に帰っても連絡を取り合うような友達をつくることを目標にしたいと思います。そのためには参加者と積極的に英語でコミュニケーションを取り、製作では自分の意見を出していくことが必要だと思います。また、コンテストの順位も大事ですが、せっかくの機会なので難しくても機能的に独創性があるものを製作できたらと思っています。まだまだ英語力には不安がありますが、図を描いたり、ジェスチャ-を交えたりして相手側のことを理解し、自分の事を分かってくれるよう努力する姿勢を忘れないようにしたいです。もちろん今回はアメリカのボストンまで行くので観光も楽しみたいと思っています。
大関一彰
他人に「所属している学科は何?」と聞かれて「ロボット系の学科にいます」と返すと、ほとんどの人が「NHKで放送しているロボコンとか出るの?」とロボットコンテストの話をします。ロボット系学科=ロボコン、私もそのイメージを持ってこの学科に入りました。今回晴れて参加させていただけることになって、とても嬉しいです。ロボットを製作する過程においてもちろん工作技術が重要になりますが、それはチームメートとのコミュニケーションあってのものです。中学生の頃にはオーストラリアでホームステイ、大学在学中には英会話教室へ通っていたこともあり、IDCは自分の英語力を試すいい機会だと思っています。約2週間という限りある時間を有効に活用して、大会では表彰台の頂点を狙う気持ちで、頑張ってきます。
芦達也
私がIDCロボコンを通してまずやり遂げたいことは、外国に住む友達を作ることです。IDCロボコンは様々な国から学生を集めて行うものですから、他の国のエンジニアの卵と知り合うことのできる数少ないチャンスだと考えています。ロボコンの期間だけの交流にとどまることのないよう努めたいとも考えています。また、共通の趣味を持った人とは大会後も連絡を取り合って、趣味の話だけでなくエンジニアとしての意見交換を行えるようになることを目指したいと思います。また、近年は国際化の時代であり、国一つ、人一人で製品を作ることは難しい時代となっています。そこでこのIDCは多彩な文化に触れる機会でもあるので、他の国におけるエンジニア教育の特徴や、物事の捉え方の違いを知りそれらを統合することで知見を広めたいと思います。これを生かし、外国を対象とした製品あるいは世界的に使うことのできる製品を作ることができるようになりたいです。加えて、日本国内においてネイティブな英語に触れることは難しく、文法を学ぶだけでは実用的な英語を学ぶことは難しいです。感覚的な英語に関して、稚拙ではありますが認知言語学的な観点からアプローチし、少しでも英語を使えるようになるための糧にできたらと思います。 最後になりましたが、今まで大学で勉強してきた学問を活用するだけでなく、実験を通して学んできたことを生かし、チームに貢献したいと思っています。
國安夏奈
ロボコン参加するにあったって一番の目標は、友達を作ることです。様々な国の人の考え方などを知るいい機会だと思うので、いろいろな人と友達になり、様々なことを吸収したいと思います。私はものつくりの経験も少なく、英語もうまく話せるわけではないので不安な面もありますが、とにかく楽しんでやっていきたいです。日本チームには女子がいないので、不安なとこともありますが他国の女子と仲良くなってその不安に打ち勝ちたいです。ロボコンでは、設計・製作・コンテストで積極的に参加し、自分の考えが伝わるように頑張って表現していきたいです。足りない部分も多くあると思いますが、日を追うごとに少しずつでも成長できたらいいと思います。うまく伝えられないということがあっても、諦めずにスケッチや身振り手振りで受け取ってもらえるようにしたいです。国によって設計や製作の方法も異なると思うので、自分とは違う部分を多く見ていきたいです。最後には、普通に意思疎通ができるようになってたらいいなと思います。どんなチーム編成になるかわかりませんが、一人でも多くの人とコミュニケーションを取って仲良くなりたいです。ロボコンには直接関係ありませんが、初めての海外なので不安も多いですが、とても楽しみです。日本ではなかなか食べられないおいしいものも食べに行きたいです。時差も13時間と大きいので、体が慣れるか不安ですが頑張りたいです。とにかくこの2週間を精一杯楽しみたいと思います。
神戸威人
IDCへの参加が決定したとき、真っ先に自分の英語力に不安を覚えました。出発までの期間で自分なりに準備はしたつもりでした。しかし、いざ飛行機に乗ってみると、私は準備不足を痛感しました。機内アナウンス、乗務員の方の言葉、何を言っているかさっぱりわかりません。当然ながら空港内でも周りの人の言っている言葉もわかりません。一抹の不安を覚えつつも滞在先の学生寮に到着。現在これを書くに至ります。IDCに参加するに当たって、自分は「とにかくコミュニケーションだけは取る」ということを目標にしました。自分の英語力の低さに少し焦りを覚えていますが、この二週間の間にあらゆる手段を用いて少しでもコミュニケーションを取れるようにしたいと思います。そして何より、せっかくIDCに参加したのですからコンテストでも良い結果を残したいと思います。
銭智定
私はこのたび、IDCロボットコンテストに参加できることを非常に嬉しく思います。私は、1年生の頃から興味があり、参加したいと思っていました。私にとって,本ロボコンはロボットを創造・デザイン・製作する貴重な機会です.今回の目標は、世界中の学生さんとものづくりを通じて、新しい考え方及び技術を身につけることと共に、国際交流を深め、たくさんの友人を作ることで、そのため、信念をもって全力で取り組みたいと思います。本ロボットコンテストは、アメリカでトップクラスの工学系の大学だといわれているMIT大学で開催されます。私は、英会話が苦手ではないので、この機会を利用して積極的にものづくり及び会話に参加し、自分の実力と各国のトップクラスの選手の実力との差を見極めたいと思います。特に、MITの学生さんの実力に対して、非常に興味を持っています。また、異国の文化を体験することを楽しみにしております。ロボコンに参加することによって,私の学生生活がより有意義かつ充実し,これらの経験を今後の人生に活かせるように多くのことを学んで行きたいと思います。

7月26日

◆大会2日目、マシン設計

デイリーミーティングデイリーミーティング
SolidWorks講習SolidWorks講習
マシンのアイデア考え中マシンのアイデア考え中

今年のIDCでは、朝8時から全員出席するミーティングが行われます。そこで、ルールについての確認やお知らせなどがあり、その後は各チームに分かれの作業となります。大会2日目の今日は、チームの戦略を固め、マシン設計を行う日です。途中でマシンに使用する無線やマイコンの説明、SolidWorksの講習も行われました。

7月27日

◆Design Briefs – 構想設計発表

デイリーミーティングデイリーミーティング
SolidWorks講習SolidWorks講習
マシンのアイデア考え中マシンのアイデア考え中

今日は午後から構想設計の発表が行われました。チームごとにインストラクターに向けて、戦略や設計したマシンについての説明をして、議論しました。明日からは本格的に製作が始まります。

7月28日

◆本格的な製作スタート

製作中の写真製作中の写真
製作中の写真製作中の写真
製作中の写真製作中の写真

本格的な製作が開始されました。一日のスケジュールは

7:00~8:00 朝食
8:00~8:15 全体ミーティング(全体連絡、ルール確認など)
8:15~12:00 製作
12:00~13:00 昼食(ランチバックが配られます)
13:00~17:00 製作
17:00~19:00 夕食
19:00~23:00 製作(作業を続けたいチームのみ:工作機は使用不可)

となっています。とてもハードな一日です。
製作作業の途中には、各チームから何人かずつが出席して、無線機の使用方法や、マイコンの解説、加工機械の説明などが行われています。

7月29日

◆大会会場を紹介します

Pappalardo Lab.Pappalardo Lab.
— Pappalardo Lab. —
Studio 7Atydui 7
— Studio 7 —
AVTAVT
— AVT —

IDC2011の大会会場のうち、中心的な場所を紹介します。
① Pappalardo Lab. — マシン製作の中心となる場所。充実した加工機械と製作スペースを有しています。平日の朝8時から午後5時まで使用でき、ほとんどの時間ここで製作を行います。
② Studio 7 — チームごとの机が準備されていて、設計や簡単な加工ができます。建築学科の作業場をお借りしているそうです。この会場は、夜11時まで開放されていて、Pappalardo Labが閉まった後でも、作業できるようになっています。
③ AVT — 朝のミーティングスペースです。
参加者たちは、一生懸命製作に取り組んでいます。夕食後も作業を続けたり、宿舎に戻って設計やプログラミングを行っているチームもあるようです。

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7月30日

◆土曜日の作業 & off time

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Off timeOff time

土曜日の今日も、引き続き製作作業が行われましたが、Pappalardo Lab.が使えないため、Studio 7のみでの作業です。細かな部品の製作や、調整作業、プログラミングなどを分担して行っています。
明日の休日をはさみ、のこり半分の期間となりました。みんな順調に進んでいるのでしょうか?
今日はマシンの製作以外のことについても紹介します。マシン製作だけがIDCではありません。IDCでは参加者が同じ宿舎に宿泊しています。まさに、寝食を共にしながら切磋琢磨しあうコンテストです。作業を早めに切り上げた日には、観光したり、スポーツしたりと、交流を深めています。レクリエーションの情報共有のためのボードも作られ、観光ツアーが組まれたり、サッカーが行われたりしています。

7月31日

◆Day off

Day offDay off
Day offDay off
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今日は休日で、一日自由行動です。それぞれ観光に出かけリフレッシュしたようです。

8月1日

◆後半へ突入

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後半の追い込みです。マシンの形が徐々に見えてきました。残りが少なくなってきたこともあり、夕食後も、10時過ぎまで作業していたチームが多いようです。

8月2日

◆連日の作業にやや疲れも…

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朝8時から午後5時までと、夕食後の7時から11時近くまでの作業に、参加学生たちは少し疲れがたまっているようです。しかし、徐々に完成に近づいています。怪我をしないように気をつけて、完成度の高いマシンを製作してもらいと思います。

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(夜のStudio 7: 細かいパーツの製作や、プログラミング、フィールドでの調整などを行っています)

8月3日

◆終盤の追い込み

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作業も大詰めを迎えました。フィールドでテストしながら、問題点をみつけ改良していきます。設計通りに動くマシンは完成するのでしょうか?
参加学生からこれまでの感想と競技会への意気込みをコメントしてもらいました。
小河慶太郎
アメリカに来てから作業ではチームメイトに助けてもらうことが多く非常に感謝しています。もう残り3日ですが、自分がチームに役立てるよう頑張っていきたいと思います。
大関一彰
2週間という時間は思っていたよりも短く、チーム戦略やロボットの設計を考えているうちに、あっという間に過ぎて行きました。マシンはギリギリに完成することになりそうです。試合ではいい結果を残せるように、最後まで全力を尽くします。
芦達也
大会開始から10日目を迎え、だいぶ加工機の使い方やチームメイトとの組み立て作業などにも慣れてきました。他の国の参加者との乗り越えた場数の差は埋めがたいものがあり、なかなか強気な姿勢が取れず後から付いていく形になりがちですが少しでもこの差が縮まるよう残りの日程も頑張りたいと思います。
作業の進捗状況は1台が完成していて、残り2台も最終調整に入っています。調整中の2台のうち1台は手がかかりそうですがチームメイトと協力して乗り越えたいと思います。残りの日程も作業の身にとらわれることなく多くの事を学びたいです。
國安夏奈
思ったよりも時間が過ぎるのが早く、設計から製作まで全て英語でコミュニケーションを図るのがとても難しかったです。作業も残り少なくなり、設計通りのものが出来上がるように全力を尽くしていきたいです。コンテストでは、いい結果を残せるよう頑張りたいと思います。
神戸威人
この約2週間は本当に早く過ぎていったように感じています。やはり自分の英語によるコミュニケーション能力の低さについては悔やんでも悔やみきれないところです。しかし、チームのメンバーとなんとかコミュニケーションをとり、ロボットの製作自体は順調に進んでいると思います。会話はあまり出来ない分、せめて加工などの製作方面ではチームに貢献できるように頑張りました。残すはテスト走行と最終調整という状態なので、気を抜かずにコンテストを迎えたいと考えています。
銭智定
ここにいる間、各国の人と友達になることができ、時間があっという間に過ぎてしまいました。作業は最終段階に入り、コンテストまであと3日間です。試合まで全力を尽くし、チームメイトと素晴らしいロボットを作っていきます。

8月4日

◆製作最終日 & シーディング

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製作最終日、テストを繰り返し、細かな改良を行います。コンテストの組み合わせを決めるため、夕方までに試合と同じ時間でトライアルを行うスコアを提出するシーディングディにもなっていました。スコア提出の後も、夜11時まで調整は続きました。様々な発想・デザインのマシンが製作されました。明日のコンテストが楽しみです。

8月5日

◆最終競技会 & フェアウェルパーティー

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いよいよ、コンテストの日を迎えました。MITのなかにある講堂でトーナメント形式の競技会。試合は白熱し、会場は非常に盛り上がっていました。同点になり重量による判定での決着や、逆転も多数ありました。最終的には、バルーンとキャノンに的を絞り、この日の最高点を獲得していたブラウンチームが見事優勝を手にしました。

partyparty
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夕方には、フェアウェルパーティーがMIT Museumで開かれました。各国へ参加記念品の授与、IDC Creativity Awardの授与、各国の出し物が行われました。そして、有名なロボットが展示されている中での食事も堪能し、今年のIDCも無事終了しました。
参加者たちは、2週間という時間を非常に短く感じているようです。朝8時から夜11時近くまでの作業を続け、非常にハードな日々であったと思いますが、いろいろな経験をし、各国の学生たちと友情を築いたのではないかと思います。この経験を糧に、さらにステップアップしてもらいたいと願っています。

8月7日

◆帰国

naritanarita

現地の宿舎を8月6日の早朝に出発し、8月7日午後に無事日本に帰国しました。学生の参加レポートは後日、ウェブページにアップする予定です。