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中村研究室

中村研究室

知能機械システム研究室

研究概要


人間が普通に行っている「何かを見て、理解・情報取得を行う」という行為、これをコンピュータでやろうとすると非常に困難です。しかし、このような機能を持った機械やロボットは、今後ますます私たちの生活に欠かせないものとなります。
知能機械システム研究室では、コンピュータに人間の視覚に相当する機能を持たせるための技術、すなわち「コンピュータビジョン」技術を柱として、「ヒューマン・インタフェース」、「人・環境認識」、「移動ロボット」をテーマに研究開発を行っています。
どの研究も『人間と共存・協力するシステム』であり、「人に役立つこと」や「楽しめること」を原則として、日々チャレンジングな課題に取り組んでいます。  

中村研究室ホームページ

http://www.is.fr.dendai.ac.jp/

教員紹介

中村研究室

教員名 中村 明生 (Akio NAKAMURA)  教授
所属学会 日本ロボット学会、IEEE、電子情報通信学会、精密工学会、ACM、電気学会、日本機械学会、計測自動制御学会
学位 博士(工学) (東京大学)
職歴 1999~2001:日本大学 経済学部 非常勤講師
2001~2005:埼玉大学 助手
2005~2007:東京電機大学 工学部第一部 助教授
2007~2017:東京電機大学 未来科学部 准教授
2017~:東京電機大学 未来科学部 教授
専門分野 画像処理(コンピュータビジョン)、ヒューマン・マシン・インタフェース
主な論文・著書 https://ra-data.dendai.ac.jp/tduhp/KgApp?kyoinId=ymdsgdydggy

研究事例

情報投影提示インタフェース

スイッチやリモコンなどの入力デバイスを用いることなく、手ぶらで、位置を拘束されることなく、機器の操作ができれば便利であり、未来の快適な生活空間の創造に役立つ。環境の任意の位置に情報を投影し、その情報を操作することでユーザが位置を拘束されることなく、「いつでも」「どこでも」「手ぶらで」情報入出力を行えるような「どこでもインタフェース」を考える。入力は画像処理技術を用いたジェスチャ認識で行い、また、出力は環境の任意位置に情報投影可能なように首振り機構に搭載したプロジェクタを用いる。複数人がランダムに行動しているであろうリビングルームでの使用を想定、手振りによるユーザの検出、指差しによる情報投影位置の指定、及び投影ダイアログ上での指先検出等の手法の提案を行い、実装を行った。これにより、環境の任意の位置にタッチパネルが存在するかのような操作性を実現するインタフェースが可能となる。

情報投影提示により人間とインタラクションする移動ロボット

人と協調して作業を行うために、周囲の状況に応じた適切な情報提示を行うロボットを提案する。ロボットから人間へと情報を伝える場合、最も有効な手段は視覚に訴えることである。そのため、移動ロボットにパン・チルト機構を持つプロジェクタを搭載し、実環境中のあらゆる場所へ大画面で情報の提示が可能な移動型情報提示システムの開発を行う。ロボットは人と共に行動し、TPOに応じた情報提示を行う。さらに、実環境に投影された映像部分に対して人間が特定の行動を行うとシステムに情報入力できるようなインタフェースの開発を行う。

 

移動中に人物認証可能な入退出管理システム

「マンションのエントランスにおけるオートロックを鍵やカードを用いずに、しかも立ち止まらずに解除できないか」こんな発想から始めた研究である。セキュリティと快適さ・利便性を両立させる入退出管理システムの構築をしている。個人認証のために立ち止まる必要がなく、自動ドアを通るように認証可能であるウォークスルー型認証を行うことを目指す。そのために、映像中から移動物体の検出・移動物体領域からの人物の検出及び追跡・映像中の人物が誰であるのか認証、に関して研究を行っている。

研究室の生活


研究室とは名前の通り、研究するところです。昼頃研究室に来て、夕方帰る・・・このような生活をしていたのでは研究は進みません。とにかく、研究室には長時間いるように指導します。最初からバリバリ研究はできないでしょう(いや、本音はバリバリやって欲しいのですが)。最初のうちは教員・先輩・同期と雑談をして過ごすことも良いでしょう。とはいえ、それをずっと続けているようなら成果は期待できないでしょう。努力の跡が見られない、出席率が悪い、という場合には適宜注意を与えます。

専門スキルを伸ばすとともに、解決の仕方や考え方のトレーニングを重視します。大学院生は自らの研究に邁進するとともに、スタッフ側の立場をよく理解して、学部生指導を補助してくれています。もちろん学部卒で就職する学生も、卒業研究を通して論理的な思考と問題解決能力を身につけようと努力しています。研究の進捗状況によっては学部生であっても国内外の学会・研究会で積極的に発表を行ってもらいます。
やることさえやってくれたら、という条件つきですが、基本的に学生の自主性に任せており、和気藹々と過ごしています。

All work and no play makes Jack a dull boy. (良く学び、良く遊べ)

先輩の声

中村先生は、忙しいときも私達の話に耳を傾け、自分のやりたいことや研究の悩みに対して、様々な視点からアドバイスをしてくださいます。研究は、現状の技術を調査した上で、新規性・将来性などをアツく伝えることができれば自分がやりたいことを比較的自由にやらせてもらえます。 (大学院生 T. Y.)

 

この研究室では画像処理の分野を中心に研究を行っていますが、パソコンに向かってプログラムを書くだけではありません。私の研究では人を誘導するためのガイドロボットの研究を行っており、ソフトウェアだけはなく、部品の加工・電子回路の製作・移動台車の改造といったハードウェアをいじる割合が高いです。その時は今まで学んだ知識・経験を活かして工作機械を用いて機械加工を行います。自分のやる気次第で様々な分野に幅広くチャレンジできるところが魅力です。 (学部生 T. S.)

当研究室希望の方へ

学生諸君に強く期待したいものは、「意欲」「知的好奇心」です。これまで分からなかったものを明らかにしてみようという強い興味をもって研究を行うことは、良い研究成果につながるのと同時に、自らの能力向上に繋がります。

学部3年間、のんびりと過ごしていまい、成績がイマイチ、という人も「やる気」さえあれば何とかなるものです。研究上の必要に迫られて学習するにつれ、過去に学んだ理論はこういった部分に応用できるのか、と分かってきます。すると俄然意欲が湧く、ということもありえます。

また、卒業研究で配属される学生諸君には、是非とも大学院への進学も考えて欲しいです。なにがしかのまとまった研究テーマにしっかり取り組み、そこから技術なり能力なりを獲得するには、1年では足りないのではないかと考えるからです。また、同期との語らい、後輩指導を通じて、就職後も役立つコミュニケーション能力を高めることができます。

自分の能力を鍛え上げようという意志を持った学生さんにとって、本研究室での日々は楽しく、有意義なものとなるに違いないと考えます。せっかくの大学生活、遊びばかりではなく、研究生活の一連の流れを体験してみませんか?

ロボットだけではなく、自らの「知能・知識・技能」にも磨きをかけましょう!

(※詳細は研究室WEBページをご参照ください)